2014年12月31日

気がつけば年末

ベルギー旅行記やらSTAP細胞騒ぎについて書いている間にいろんなことがあった。

まず、今年もラボの学生の卒論が終わった。締め切りに間に合うのかドキドキしたが、まあとにかく提出。その後の卒論発表も無事乗り切り、合格点をもらえた。本当はもっとビシッと決めて欲しかったけど、良しとしよう。6年生はいま、国家試験の準備に突入している。

10月から新しく入室した4年生たちもボチボチと実験を開始し出した。今年の4年生はイケイケである。入って早速タコパ(たこ焼きパーティー)を企画してくれた。年末には忘年会でも大活躍、今後の働きが楽しみである。

そして研究室の大掃除も終わり、仕事納めは近くのスターゲイトホテルのシフォンケーキで締めた。

その後は年賀状やら家の大掃除やらお墓掃除やらで忙しく、ようやくさっき、なんとか落ち着いたところである。祖先のお墓は服部緑地にあるのだが、電車の駅から距離があるのが難点だ。車を持たない私は近頃カーシェアリングのお世話になっている。これがしごく便利なのだ。1時間程度なら1,000円しかかからない。車を所有するコストと煩わしさを考えると、もうカーシェアリング様様なのである。

さて、そんな感じで今年も残すところ10時間余り。皆様には今年も大変お世話になりました。どうか良いお年をお迎えください。

写真は今日の使ったminiです。

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2014年12月20日

科学は間違いをどう償うべきか

昨日、理化学研究所の会見があった。もう皆さんもご存じだろう。例のSTAP細胞は「再現できない」という会見だ。

昼間のニュース速報で結果だけを知ったとき、ああやっぱりそうだろうな、と思った。これで1つの区切だな、と。ところが家に帰ってテレビでニュースを見た時、私は初めてこの会見の本当の意味を知ってあ然とした。それは会見で質問するある記者の発言をめぐってのことである。

その記者は、小保方氏の退職を理研が認めたことが納得できないようで、なぜ認めたか、認めることに妥当性はあるのか、と理研の理事を問い詰めていた。彼の発現の骨子は「小保方さんのようなことをした人は、普通、会社や大学では懲戒免職になるのが当然でしょう。なぜ理研は非常識にも退職願を受理したのか?」というものだった。

小保方さんのようなこと、とはいったいどんなことだろう。どうやら記者は小保方氏が意図的にSTAP細胞というありもしない現象を作りあげて世間を躍らせ、国民の税金をヤマほど無駄づかいした犯罪者だと言いたかったようだ。しかし本当にそうだろうか?いやどこにその証拠があるのか。今明らかになったことは「小保方氏の報告した結果は、科学的に考えて、もし本当にあるとしても、本人をしても再現することが極めて難しい現象であったという結論に理研は至った」ということだけだ。

記者の話しに戻ると、質問を受けた理事は慎重に言葉を選んで回答したが、それは記者の求めたものとは違ったようで(だいたい記者という人種は自分の考えに合致した回答しか認めない傾向がある)、両者の疑惑の溝は益々広がるばかりだった。末に、一旦終了した会見だったが、そこに登場したのが検証チームの責任者の相澤慎一先生だ。

「このような検証実験のあり方は「科学」のあり方からすれば本来あってはならないものだった。」

私には相澤先生があの様な発現をした気持ちがよくわかる。それは私がこの事件にずっと感じていたものと共通するものだった。理研の、しかも検証実験の責任者があのような発現をしたことが妥当かは議論の余地はあるが、相澤先生は科学者として、あまりにもことが科学の枠を超えて、まったく非科学的な意図によって解釈されていく様を見て、一科学者として考えを伝えなければ、と思われたのだろう。

しかし、この相澤先生の発言についてもいろんな意見があるようだ。あるニュースキャスターはこれを問題視し、理研の責任感の無さを表出するものだと断罪した。そもそもニュースキャスターはそういう役目だからここではそれについてこれ以上コメントしない。

私は、やりきれない想いから、ここで一言もの申したい。社会は小保方氏のように世間を騒がした研究者は非常にきついペナルティを受けるべきだと盲目的に思っているようである。もちろん「この事件」の特殊性から考えると、今回はそれなりに一定の責任を取らせる必要性は感じる。しかし私が怖れるのは、一般論として研究成果の過ちに対して社会が非常に厳しい反応を見せていることだ。

もし、ある研究者が、悪意がなく単に間違った研究成果を得てそれを発表してしまった場合、その科学者を犯罪者として一生その人生を封じこめてしまって良いのだろうか。前にも書いたが失敗は誰にも起こりうる。それに対する責任はある程度取らせるにしても、その後で立ち直る余地を充分に残す寛容な社会でなければ、社会は閉そく感に充ちて発展性が失われる。

いったい科学者はこの先どんな希望を描いて研究を進めていけば良いのだろうか。そして世論は我々科学者をどのように扱っていこうとしているのだろうか。世間知らずの弱者としてだろうか。常に監視していなければ何をしでかすかわからない爆弾としてだろうか。それとも社会は、科学者に尊敬の目を向けて、その判断を最大限尊重し受け入れるべきだと考えているのだろうか。私は社会に(少なくとも昨日質問した記者に)、「科学」というものをどう捉え扱おうとしているのか、その見識を問いたい。


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2014年12月16日

ベルギー報告(5)

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最終日の夜、合気道の稽古が終わってジャックのうちへ招待された。

大学から車で30分ほど。やや起伏のある丘陵地を走った、郊外の集落の中にそれはあった。。道といっても碁盤の目ではなく、クネクネと方向性のない細い道が続く。おそらく昔、街道だったものが道路になったのだろう。集落の家は多くが石造りで、100年、200年はざらに経っている、そんな家の一つがジャック家であった。もう、とことんヨーロッパを感じるのである。

そして手早く用意してくれたサンドウィッチとベルギー・ビールをいただきながら、ジャックとジャックの奥さん(同じリエージュ大の教員だ)といろんな話をした。仕事を離れて、家族を交えながら話すから、人柄がジワジワ滲み出る。なるほど。3日間を終えてよくわかった。ベルギー人は人懐っこい。サービス精神に富んでいる。楽しいことが好きだ。こだわりもそこそこある(こだわりは重要だ)。だんだんベルギー人が好きになっていった。

最後に車で市内のホテルに送ってもらい、ベルギーでの私のミッションは、いっぱいオマケがついて終わった。翌朝、電車でブリュッセル、アムステルダム経由で関空に向かった。着いたのはさらに翌日の朝。家に帰ってもベルギーのことが懐かしかった。

準備不足で出発し、睡眠不足、ドロ縄で突入したベルギー出張だったが、暖かい気持ちをもらって帰ってきた。この大学といろいろ交流できたらいいな、心からそう思える。また、いつか訪問する機会があることを期待しつつ、このベルギー報告も終わるのである。

終わり。

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2014年12月15日

ベルギー報告(4)

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対象学生は3年生だ、とだけ聞いていて、何をどこまで習っているかわからないから用意は簡単ではなかった。まあ、日本の食中毒事情でも話すけど、いい?とジャックに確認し、ゴソゴソと準備を進めた。

ついでに日本の獣医学教育についても話してね、と言われたので、それも追加してみると、時間内には収まらない。そこで食中毒は、カンピロバクターだけに絞って、「日本では鳥刺しを食べる人がいて、みんなカンピロにかかるのだよ」とちょっと脅かしてやった(もちろんちゃんと説明はしました)。

ついでに大学の宣伝もして、是非日本に興味があったら府大に来たまえ、と言い放つと、講義終了後になんと6人もの学生たちが前に集まってきたのである。彼らは6年生になってから、3ヶ月のインターンシップ期間に日本に来たいという。そうなると3年も先の話である。ま、気長に待つとしよう。でも本当に6人がいっぺんに来たら大ごとになるだろうな。。。

さて、いよいよこれで最終日だということで、ジャックがうちに来いという。なんでも今日は合気道の稽古があって、それが終わってからうちで飯でも食って行けというわけなのだ。そう、ジャックは実は日本通なのだ。合気道歴は20年以上になるという。

道場での稽古はなかなか楽しめた(見学だけです)。ベルギー人が気合とともにコロコロと畳の上で転がっているのは妙な気がしたが、日本人が見学すると聞くとみんな親しみ深い眼差しをくれた。そう、ベルギーの人たちはとても人懐っこいのである。

つづく。。。





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ベルギー報告(3)

さて、ベルギーでのもうひとつのミッションは、向こうの研究者達と会って話してお互いを理解し合うことだった。

だからとにかくたくさんの人と会った。会う度に××さんだとか○○さんだとか紹介されるがとても覚えられるもんじゃない。こんな時に便利なのが名刺のはずだけど、なぜかベルギーの大学人は名刺を持っていない。約20人に会って名刺をもらえたのは1人だけだった。みんなが持たないから必要ない、というのはわかるが、外国人にとっては不便極まりない。

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まあ、それはさておきニコニコしながらいろんな人と話をし、いろんな建物に連れて行かれた。前にも書いたがこの大学は、小高い丘の上の森の中にある。そして大学の敷地が馬蹄形をしている。馬蹄形のへこんだ部分が緩やかな下り斜面になっていて、森の中を散策できる。ところどころに彫刻やモニュメントが設置されていたり、体育館が森の中に立っていたりする。今回のベルギー滞在の世話をしてくれたジャックもよく、自分の研究室から少し離れた講義棟へ移動する時はこの森の中を歩いて行くそうだ。

大学で飼う馬をこの森で運動させることもあるようだ。ところどころにその印が落ちている。こんな森の中、馬に乗って歩いてみたいものだ。なんかこう、うまく言えないがヨーロッパ、という感じがするじゃあありませんか。

そんなこんなで大学を引き回されて(もちろん楽しかったけど)、たくさんの人に会い、ベルギー2日目は暮れていったのだ。

oister.jpgBlank.jpgbeer_liege.jpgBlank.jpgこの日の夜はホテル近くのレストランに行った。せっかくなのでベルギーらしいものをと思いムール貝を食べた。これがまた、バケツで出てくるのだ。香草と一緒に茹でた貝をひたすら食べたがなかなか無くならない。泣く泣く残してレストランを後にした。

つづく。。。


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2014年12月06日

ベルギー報告(2)

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前回に続きベルギーの話。

ベルギーでのタスクは3つあった。まず着いた翌日にセミナーで自分の研究について1時間ほど話すこと、次にリエージュ大学の獣医系教員と交換留学について意見交換すること、最後に向こうの学生(3年生)に1時間の講義をすること。中3日間の滞在だからちょうど良いわい、楽勝楽勝、と思っていたら、とこらがどっこい、なかなか大変な毎日だったのだ。

まず、セミナーと講義の準備がえらいことになった。他のいろいろな仕事もあって事前に準備が全くできなかったのだ。やっと始めたのが空港へ向かう電車の中という始末。当然、飛行機の中でも乗り継ぎの間もひたすら準備を進めたが、間に合わない。ホテルに着いて、さすがに2時間ほど寝た後、部屋でシコシコと画面に向かい、やっと準備が終わったのがセミナー当日の朝の3時半。そこから2時間だけ寝て、朝一番でリエージュ大学へ向かったのだ。

さてそのセミナーの結果は、、、満足いく出来ではなかった。が、それなりに興味を持ってくれたようだ。面白いと言ってくれて、話も弾んだ。最低限、我々が何を考えて何をやっているかはわかってくれたと思う。フー、よかった、よかった。

その後、野生動物を扱う研究者達と面談。そして食品衛生系の研究者達と面談。それぞれのチームが、取り組んでいるいろんなテーマに関するデータを披露してくれた。

リエージュという地域はフランス語圏で、英語は母国語ではない。もちろんほとんどの研究者は英語を話す。しかしペラペラというわけではない。これは私にとっては気がラクだった。

とはいえ、とっかえひっかえ、10人ほどの外国人と英語で一日中やりあうというのは結構疲れるものだ。夕方ヘトヘトになってホテルに帰ると、コンビニのサンドウィッチで夕食を済ませ、その日はバタンと眠りについたのだ。

写真は獣医学部の、とあるビル前にあった案内板。+2とか+3は、2階、3階であることを示しているらしい。

続く。。。



posted by miyake at 08:45| Comment(0) | 学会報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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